【まふまふ】白くて黒い【そらる】 (ページ10)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:66,956 hit

Coffee 10 ページ10

「じゃあ、不安にさせたそらるさんも
嘘ついたAちゃんも悪いってことで仲直り、ね？」

さっきとは違う、明るくて優しい笑顔を向けるまふくん

その笑顔は全て偽物で紡ぐ言葉も全て嘘なのに

「ん…ごめんA。」

なんでそんなに疑わないのだろうか。

『いえ……私も、ごめんなさい。』

そらるさんと一通り仲直りした後

そらるさんはまだ仕事があるからと言って帰ってしまった。

お前も早く帰れよとまふくんに言い残して

まだお仕事があるのに私の所まで来てくれて
看病するとまで言ってくれたそらるさん

「はー……そらるさん、あっさり信じたね
僕に先越されちゃったのにね？」

ため息をひとつこぼしてまふくんは私の服の中に手を入れてきた

生温い手の温度があの日を思い出して余計に嫌悪を感じてしまう。

『ちょっ、…触んないで！』

「むー……」

手を払い除けまふくんの方を睨む。

いつまでもこの悪魔のペースに飲み込まれちゃいけない。

『…なんで嘘ついたの。』

「あれ、ほんとの事言った方がよかった？
1回えっちしたことありますよーって」

『……』

んふふ、と愉快そうに笑うまふくんに苛立ちが募る

あんな胡散臭い演技をしたことも

愛おしそうに私を見つめたあの目が離れない。

「だってバレちゃうかもってビクビクしてるAちゃん可愛いし
背徳感っていうのかな、ゾクゾクする。」

楽しそうに口の端を釣りあげて笑うまふくんは不気味だった

頭がおかしいんじゃないのか。

「…でもさ、本当にそらるさんはAちゃんのこと好きなのかな？」

『…』

「だって僕がAちゃん抱きしめててもなーんにも言わないし」

そらるさんが嫉妬してくれてたのなんて一目瞭然じゃないか

優しくて、大人で、まふくんなんかとは全然違う

でも

「好きって言われたことあるの？」

皮肉の籠った言葉は脳裏に焼き付いて離れなかった