対象外

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さっきのあの素っ気ない態度が気になって、森さんのいる808号室の前まで来てしまった

申し訳ないけど、あつきはここにはいない
今日はありがとうと言ってホテルの入り口で別れた
別れ際に「頑張れ」と言ってくれたあつきの気持ちをしっかりと受け止めよう

…部屋の前にいるのはいいけど、本当に大丈夫なのかな？
実は全然知らない人の部屋でしたとか、ない、よね？

あぁ、どうしよう
考え始めたら不安になってきた

…でもここまで来たんだ
もう勢いで行くしかない！

そう思って思いきってインターホンを押した



『…あれ、いな「うい、」…いた、』

「…へ、A…？何でここにおんねん」


んー、やっぱり何か違う
今までの、いつもの森さんと違う
あの、ピリピリした森さんでもない

今目の前にいる森さんは、初めて見る森さんだ



『お話をしに来ました、』

「…誰から部屋聞いたん」

『岡田さんが、先ほど下でコソッと教えてくださいました』

「ほんま、あの人…」

『あの…すみません、勝手に来て』

「…ええよ、とりあえず入って」



上手く、話せるかどうかは分からない
何かが上手くいくかも分からない

だけど、これはチャンスだ

きっともう、これ以外にチャンスは来ない

…がんばれ、わたし

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