対象外

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『うわ、…』

「あれは、絶対痛いな…」



痛そうに、辛そうに、悶えてる森さん
私は女だからその痛みは、分からないけど
きっと、相当痛いんだろう



「おい、大丈夫か森」

「…あかんっす、」



田中さんが尋ねてみるけど、想像通りの返答だった
汗もひどくて、本当に辛そう



「…A、」

『はい、』

「…なんでもない」



そう言うと森さんは試合に戻っていった
さっきよりは元気な表情で



「お前あの痛み分かんないだろ、」

『…分からないですよ、』

「まあ、俺らも分からないことだらけだけどな」



森さんの、男性の痛みは分からない
だけど男性には女性の痛みが分からない

いつか、お互いの痛みが分かりあえる日は来るのか

って、そんなこと関係ないんだけど



「あぁ、そうだ。お前明日で終わりだな」

『…すみません、最後まで参加できなくて』

「仕方ないよ、急だったし」

『…すみません、』



私がここで過ごす時間はあと1日
本当は最終戦までいるはずだったけど、母親の実家に戻らなくてはならなくなった

おばあちゃんが、倒れたと連絡があったから



「明日、選手に挨拶しとくか？」

『…いえ、大事な時期なので。ただのインターンシップ生が皆さんの時間を邪魔するわけには、』

「…そうか、」



森さんとも、本当に、サヨナラだ

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