その瞬間まで

SH9 柳田悠岐 ページ48

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今日も大きな大きな怪物さんは
大きな大きなホームランを打ったらしい

A俺今日も打った！

そう本人から連絡が来たのは数分前
私が試合を見てないと思ってたんだろう

残念ながらしっかりこの目で見てた
東京ドーム、彼が輝いた瞬間を、その場所で



「…あれ、Aさん」

『誠知くん！』

「来てたんすね、」

『こっそりね、』



もし見に来たらこれ見せて迎え来て！
と言われて本人から渡された謎のパスポートのようなもの

言われた通り、関係者入り口でそれを見せると案外アッサリ入れてもらえた

これ、大丈夫なのかな？と疑問に思ったけど
多分大丈夫なんだよね



『あの人まだいる？』

「あ、…ギータさんならさっきシャワー浴びてロッカールームで騒いでましたよ」

『…想像できるわ、ありがとう誠知くん』

「いえ、お会いできてよかったです」



誠知くんにギータ情報を聞いてその場で待機
流石にロッカールームまでは行けないからね

次々と選手が出てくる
でもギータはまだ出てこない



「お前それはどうなんだよ」

「え？いや普通じゃろ！アッハハ！」



どうやら、やって来たようだ
そしてやっぱりテンションが高いみたい

サヨナラツーランホームラン打ったらそうなるか



『ギータ、』

「ん？…あぁ！？」

『やっほ、』

「え、来とったんか！東京まで！」

「…ギータの、奥さん？」

『どうも、秋山さんギータがお世話になってます』

「あぁ、いえいえこちらこそ」



話に聞いていた通り、秋山さんはすごく素敵な人なんだな
初めてお会いしたけど、いい人っていう雰囲気が溢れ出てる、素晴らしい



「A！そろそろ悠岐って呼んでくれ！」

『ギータはギータでしょ』

「Aもギータやろ！」



本当に大きな子供だと思う
ちょっとしたことで拗ねるから

ほら、秋山さんも笑ってるじゃん



『…ま、今日、かっこよかったよ』

「ほんま？惚れ直した？ますます惚れた？」

『…うん、まあ』

「っしゃ！じゃあ、俺明日からも打つけぇ見とってな！」



大きな子供
大きな怪物
本当に本当に彼はすごい人

そんな人を傍で支えられる私は幸せ者だと思う

だから、今日も、明日も



『でっかいの、期待してるよ』

「任せとけ！」





( ギータ )

( 悠岐！ )

( 変な会話だなこれ )

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