その瞬間まで

L32 浅村栄斗 ページ5

.





「Aちゃーん、」


『ん？どうしたの？栄人、』


「んふふ、好きやなあって、」


『なにそれ、笑』





試合中はキリッとしている彼も、

試合が終われば、シーズンが終われば、

ふわふわとした人になる






『栄人くん、シーズン中と全然顔違うね、』


「んー？そう？」


『うん。ふわふわしてる、』


「んふ、そうやって油断させてるだけかもしれへんで？」


『…油断？』






彼は、私にどういうことか考える隙も与えず

強引に口付けた、






「俺やって、ちゃんとした男なんやから、」


『わ、分かってる…！』


「その割りには隙ありすぎやけど？Aちゃん？」


『も、バカッ…！』






いつも、彼には敵わない

彼にドキドキさせられてばかりで、






『…悔しい、』


「ん？」


『いつか！仕返しするから！』


「ふは、楽しみにしてるわ、」







(わたしには出来ないと思ってるんでしょ！)

(ちゅーしただけで赤くなるのに大丈夫なん？)

E27 岡島豪郎→←F9 中島卓也

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す