その瞬間まで

F9 中島卓也 ページ4

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卓ちゃん、優勝おめでとう。



たった一言なのに 君には届かない







「A、別れよう、」


『え、どうしたの？急に、』


「もう、疲れたんだ、Aと居るの」




そう告げられたのが5ヶ月前。

卓ちゃんとは幼なじみで、ずっと一緒に居た

だから、

君が嘘ついてることぐらい分かるよ





「お前、重いんだよ
俺そういうのほんと、きらい、」


『…うん、』





私といて、疲れちゃったのは真実

重荷になってしまったのも真実

私のせいで、卓ちゃんが苦しむなら、





『…そうね、別れよっか、』





お願いだから、

そんな泣きそうな顔しないで

別れを申し込んだのは、

卓ちゃんでしょ？






「…ごめん、」


『謝らないで。…私、もう帰るね、』


「A、」


『ん？なに？』


「────…」








「…うん、分かった、頑張って」







卓ちゃんが告げた二つ目のこと

それはきっと真実で、そう遠くない未来









(必ず、また、迎えにいくから)

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