その瞬間まで

F30 鍵谷陽平＊ ページ14

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「Aー、準備できた？」

『えっ、と…待って！』

「ふふ、うん。待つ。女の子は時間かかるもんな？」

『うんー…』




今日は彼と付き合ってから数回目のデート。

付き合ってから結構経ってるけど、
陽平くんはプロ野球選手。

だから、デートするならオフシーズンが多い。

ほんとはもっとデートしたいけど…





「A？できた？」

『…陽平くん、』

「ん？」

『今日は…どこ行くの？』

「ふふ、ナイショ、」





あんまりデートできない分、
毎回ほんとに楽しい思い出を作ってくれるから





『…ありがとう、』

「んー？」

『なんでもないっ、』





ほんとに、感謝してる







“ ザザーッ… ”


『海だあっ！』

「A、海好きでしょ？」

『うんっ！』

「少し季節外れだけど、ごめんな、」

『んーん、ありがとう、陽平くん、』





だいすきだよ、なんて
恥ずかしくて言えないから





『…A？』





態度で示させて、






「どうした？急に抱きついたりして。今日は甘えん坊だな、」

『…陽平くん、』

「ん？」

『…いつも、ありがとう、』





そう言えば、彼は




「…A、すき、だいすき、」





と、抱き締める腕に力を込め、恥ずかしそうに言った、


季節外れの、海でのお話、







( 陽平くん、顔見せて？ )

( …いや、 やだ、)








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くろんさん！リクエストありがとうございました！

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