その瞬間まで

L1 栗山巧 ページ12

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『くりさーん、』

「おお、Aやん。どうした？」

『今日飲み会来られます？』

「あー、今日は無理やねん、ごめんな、」




今日は無理、今日は無理

ねえ、くりさん。それ何回目ですか？




「…A？」

『…はい？』

「…何かあったんちゃうの、」

『あー…いえ、』




あなたのことで悩んでるなんていえない、

だってあなたは、





「あ、今日はなあ、チビの迎えいくねん！」




既婚者だから。






『今度会わせてくださいよ？ちびちゃんに。』

「Aやったらすぐ懐くやろな、」

『え、ほんとですか？うれしい、』





うれしいけど、うれしくない

どうしてもっと早く…もっと早く、出会いたかった





「来週こそは行けるようにするわ！」

『約束ですよ？楽しみにしてます、』





あなたへの気持ちが落ち着くまで、


どうか好きでいさせてください




そのあとは、

だいすきな先輩として、一緒にいさせてください









( あれ、栗山さんは？ )

( あさむー、今回も断わられた、 )

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