音色と日誌とphotograph (ページ6)

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日誌【幸せ】ページ6

パパだって。
俺が…パパだって。
報告されてから、実感湧かなくて。
でも、Aちゃんの言動で
【あ。パパになるんだ】
そう思わされる。

と、ゆうのも、やたら怒られるし
あしらわれるし
これも妊婦さんだから。って。
余計な事しないように気を使う毎日。

｢…慧くん、最近痩せた？｣
『あー。ちょっとそうかも。こないだのテレビで着たスーツ。ゴソゴソだったんだよねぇ。』

正直、ちょっとではない。
Aちゃんが気づくくらい明らか痩せたんだ。

｢私の…せいだよね。｣

悲しそうな顔しないで？
違うよ。違う。

『ね、Aちゃんはさ、今幸せ？』
｢…え。ん。幸せ。｣
『俺もだよ？Aちゃん、大変なのに。呑気って怒らないでね？』

ポッコリ出てきたお腹。
触れれば、右手は世界一暖かくなる。

『俺の子が、Aちゃんの中で生きてんだよねー。凄いよね。』
｢他人事みたい。。｣
『うん。信じらんない。今でもさ。信じられないんだよ。でもさ…本当なんだよね。』
｢本当だよ？じゃなかったら、私、ただのお腹ポッコリ女じゃん！(笑)｣

あ。今の顔。笑った顔。
俺の好きなAちゃんの笑顔。

『幸せってさ。カロリー消費するって知ってた？』
｢逆じゃないの？幸せ太りって言うやつ。｣
『ううん。笑ったりすると、消費するんだよ。だから、俺、痩せちゃうの。すっごい幸せなんだもん。』

だからさ。
気にしないで。悲しそうな顔しなくていいよ。
それより、笑ってて。

Aちゃんの笑顔が、一番の栄養。

俺にとっても。この子にとっても。