音色と日誌とphotograph (ページ2)

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音色【2人目】ページ2

臨月に入って懸念されるのは
出産に向けて。
前みたいな事が起こらない保証もなくて
実際の所不安は常によぎってた。
先生から提案された方法にも迷ってる。

『…帝王切開は…やだな。。』
｢何で？｣
『傷。残っちゃうでしょ？』

お腹に残ってしまう傷。
それを見た時に、光くんはどう思うんだろう。とか。
どちらも選べない私の手に重なるのは
昔から変わらない光くんの暖かい手。
見上げた先で、優しい目をする。

｢やっぱさ。Aは女の子だから。｣
｢気にするよな？…けど。｣
｢Aが無事じゃなきゃ。この子が無事じゃなきゃ。意味ねぇんだよ。｣
｢だし、その傷は愛情だろ？俺はそう思うよ？｣

『光くんは…嫌じゃないの？』

｢むしろ感謝しちゃうかもな。尊敬する。｣
｢俺はAと奏とこの子が居ればいいんだからさ。な？｣

光くんは私には勿体ないくらいの旦那さん。
もう泣かせたくないし、安心してて欲しい。
安全な出産なんて無いんだろうけど。
光くんも不安なんだよね。

握ってくれた手が震えてるんだ。

首を縦に落とせば頭を撫でて

｢頑張ろ。一緒に。｣

最高の笑顔を見せた。