五節 ページ8
【九条】
屋上で昨日の事を思い出す。
瓜生君が頭を下げてお金の相談をしてきた。
この行動が正しいとは決して言えない。
でも救われる生徒がいるなら、全てが間違いとは言えないとも思えた。
衣服から振動を感じる。
よく聞く音。それはスマホなのだが
かかってきたのは仲の良い友達からで
「はい、もしもしどうしたの？こんな時間に」
夏穂『やられました、逃げられました、いやフラれました、犯人は英雄です。』
その声ですぐ思い出した。6年付き合った彼氏にフラれたと連絡が来て散々振り回された2ヶ月後、私の親友はしれっと復縁をしていたのがこの頃だった。
「いやぁ…大丈夫じゃないかな？」
親友の歌声がカラオケボックス内に響き渡る。
ボーッと手拍子をしながら考え事をしているとプツリと音が切られた。
どうしたのか、そう思い顔を上げると夏穂が不満そうな顔でこちらを見ている。
夏穂「ちょっと、何なの？」
「え？」
唐突な親友のその言葉にちょっと気の抜けた声がでた。
夏穂「友達が6年かけて捨てられた時にする顔なの？それが」
「いや…何ていうか…」
夏穂「ハァ〜！！」
隣で座る親友は大きい溜息をこぼし私の方を見て口を開く。
夏穂「あんたさぁ、変わったよねホント」
「えっ？」
夏穂「前のあんただったら誰より先に英雄をぶん殴りに行ってたよ！」
「いや、それはないでしょ」
すると夏穂は机に置いた電源入りのマイクを片手に取りマイク特有の嫌な音を出しつつ声を発した。
夏穂「あんたさぁ…」
「何よ」
夏穂「教師ってもんになって、ねっ？その肩書きにもういつの間にかのまれちゃってんだよ」
夏穂「お前…お前の拳どこいったんだよ？」
ちょっとよく分からない話を繰り広げている親友に突っ込み、反応を起こす
「はぁ？」
が…
夏穂「『はぁ？』じゃない、じゃあかかってこいよおら」
「何…」
効果は何一つなかった。
夏穂「今無敵なんだよ私、来い、ほら、来てみ？」
そう言われ渋々立ち上がりノリで構えるも
「ちょっとトイレ行ってくるね」
そう言って話を切った。
トイレに向かう途中、知っている声が聞こえた。
瓜生「おら〜！今日は豪遊じゃ〜！」
「「イェ〜イ！！！」」
知った声に引き寄せられ扉の近くまで行く
中の様子を透けた扉から見ると大勢の生徒
そして
大声で楽しそうに瓜生君がお金を数えている
向坂「陽介！」
瓜生「落ち着け落ち着け……あぁ〜俺のもん！」
その瓜生君が持っているものに私は少し心当たりがあり
勢いで生徒たちのいる扉を開く。
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龍亜(プロフ) - 何回も読ませて頂いています。何回読んでもとっても面白いです。次の更新待ってます！頑張って下さい！ (4月20日 18時) (
レス) @page11 id: 3f328260d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - るいくんから愛されてる(名前)くん好きです！続きが気になります！更新待ってます！頑張ってください！！！ (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - ゆいちーさん» ありがとう！！これからも頑張ります！！！ (9月29日 8時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいちー - 更新嬉しいです！これから先も、頑張ってください！ (9月27日 20時) (レス) id: 04235e7b6e (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 龍亜さん» レス遅くなりました！💦ありがとう！！！楽しんでいってください！！ (9月26日 16時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2023年8月7日 3時
