九節 ページ31
瓜生「ふざけんなよ、ふざけんな…！！俺の友達にこんな事させんなよ！！」
そう言って瓜生陽介は母親に掴みかかろうと机に取り掛かろうとした時、向坂俊二が、瓜生陽介の制服を思いっきり掴んで引き戻した。
そして向き合い、掴んでいた手を胸ぐらに変え、静かに言う。
向坂「初めは、不自由なく生きてるヤツの戯言だと思ったよ。でも同時に思った。そう言える大人になりゃあいいんだって」
向坂「お前いつも言ってたろ。『いい大学行って、いい会社入って、お前らのこと見下してやるんだ』って、俺思うよ。お前ならホントにそれ叶えるんだろうって」
向坂「だから今、恩、売らせてくれよ」
強く、固い意思を持った目を瓜生陽介にしっかりと向けた。
向坂「お願いします。俺、こいつと遊んでる時間が一番大切な時間なんです。だから一緒に卒業させてください。」
向坂「お願いします」
梓「分かった」
少し間を開けて聞こえたのは、不貞腐れた母親の声。
梓「ハァ…陽介あんた、背伸びして入った学校で良い友達できたんだね。なのに…ごめんね母さん何も知らなくて」
梓「ちゃんと一年学校通って、卒業してきなさい」
母親は瓜生陽介にそうハッキリと言った。
そんな様子に向坂俊二は喜んで、力無く垂れ下がっている肩を力強く抱きしめる。
向坂「陽介、よかったなおい！良かった！、よかった」
それを見ていた九条里奈は、何か言いたそうな顔をしていた瓜生陽介に声をかけた。
九条「瓜生君、いいんですか？これでおしまいで」
その言葉を聞いた瓜生陽介は、少し顔を逸らし気まずそうな空気を出しす。
胸の内ではずっと思っていることがあるのにも関わらず、見ないふりをしている瓜生陽介に九条里奈は彼が言うよう、と言葉をすすめていた。
九条「言いたいことは全部、きちんと言えましたか？」
変な事を言う九条里奈に、これ以上何を言うのかと、訳が分からないとでも言うような顔で九条里奈の顔を見る向坂俊二。
向坂「何だよ…これ以上何が…」
九条「これが、最後の機会かもしれませんよ」
それを聞いて何を思ったのか。
それは分からないが鼻を啜り、眉を顰め、口を開いた。
瓜生「何でだよ…何で…」
そう何回も小さく呟く瓜生陽介。
瓜生「何で母ちゃんが許す側何だよ」
梓「陽介？」
途端にそう言う自分の息子に理解が追いつかない。
一体どうしたのかと、瓜生梓は体を低くし彼の様子を伺った。
瓜生「親父と離婚する時もそうだよ。何でいつも俺らは、大人が決めたことに『はい、そうですか』って従わなきゃいけねぇんだよ」
梓「何言ってんの？」
瓜生「許すわけねぇだろ！！」
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龍亜(プロフ) - 何回も読ませて頂いています。何回読んでもとっても面白いです。次の更新待ってます！頑張って下さい！ (4月20日 18時) (
レス) @page11 id: 3f328260d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - るいくんから愛されてる(名前)くん好きです！続きが気になります！更新待ってます！頑張ってください！！！ (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - ゆいちーさん» ありがとう！！これからも頑張ります！！！ (9月29日 8時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいちー - 更新嬉しいです！これから先も、頑張ってください！ (9月27日 20時) (レス) id: 04235e7b6e (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 龍亜さん» レス遅くなりました！💦ありがとう！！！楽しんでいってください！！ (9月26日 16時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2023年8月7日 3時
