四節 ページ26
梓「おかえり」
一つ、古い扉を開ければ聞こえる声。
瓜生「これ、今月のバイト代。」
梓「あっ、ありがとね」
瓜生「今日からもう一個バイト増やしたから、来月からはもう少し渡せると思う」
梓「そっか」
足の爪にマニュキュアを綺麗に塗っていく瓜生陽介の母親。息子の顔など見向きもしないで瓜生陽介から預かったお金を数え始めた。
勇樹「兄ちゃんおかえり！」
亮二「おかえり！」
もう一つの部屋から出てきたのは自分の弟たち。
瓜生「お〜！ただいま、亮二、勇樹」
自分の高校の鞄を下ろしがてら机に並ぶ夕飯であっただろう空になった皿を見て、瓜生陽介は驚愕した。
瓜生「お前ら、これしか食ってねえの？」
亮二「うん」
そういう弟の言葉に耳を貸し、横目でお金を数えている母親に目を向ける。
何かを思いながらも、弟たちのことを優先させた。
瓜生「今日、店でちょっと飯もらってきたから」
弟たちは、凄く喜んだ。
まだ小さい彼らに与えられた食事の量は今に始まったことでは無かったが、何時になってもこの量に納得がいかない。
取り敢えず、その考えをやめた。
笑顔で食卓の椅子に座る二人を見て瓜生陽介も嬉しそうに今日貰ったバイトの賄いを机に広げ始めた。
梓「陽介」
瓜生「ん？」
広げてる最中聞こえたのは
梓「これ、先月より少なくない？」
瓜生「あぁごめん、予備校の入塾金、先に…」
お金の話だった。
梓「家の金勝手に使ってんじゃないよ！えぇ！？何？あんた大学行こうとしてんの？」
減っている。先月より少ない。家の金。大学。
迫ってくる母親に顔を背けることしか出来ない自分が心底憎らしい。
梓「弟たちが可哀想だと思わないの、ねぇ。」
母親の張った声に弟たちも顔を俯かせ、事の状況を理解した。
＿＿＿＿＿
迫田「はい聞いて。」
朝一から聞こえたのは迫田竜輝とその一同。
西野「そうです、はい、当たり前じゃんそんなの。だってデザートも何も書いてあるじゃん」
迫田「だってさ、ベーコンがのってたりするわけよ？」
西野「いや、美味しいじゃん、別にいいじゃん」
パンケーキはデザートか、なんて話しとかは偶々聞いていた鵜久森叶には興味がなかったが、その中の列にいた瓜生陽介の様子に疑問を抱く。
鵜久森叶が見たのは窓ガラス越しで自分の顔を見る瓜生陽介だった。
それを見て鵜久森叶は少し考え自分の教室へと足を進めた。
「陽介？」
瓜生「ぇ、あ、あぁAか」
「ぇ、大丈夫そ？目、腫れてる。顔洗ってくる？」
瓜生「ぉう、洗ってくるわ」
「ん、先行ってる」
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龍亜(プロフ) - 何回も読ませて頂いています。何回読んでもとっても面白いです。次の更新待ってます！頑張って下さい！ (4月20日 18時) (
レス) @page11 id: 3f328260d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - るいくんから愛されてる(名前)くん好きです！続きが気になります！更新待ってます！頑張ってください！！！ (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - ゆいちーさん» ありがとう！！これからも頑張ります！！！ (9月29日 8時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいちー - 更新嬉しいです！これから先も、頑張ってください！ (9月27日 20時) (レス) id: 04235e7b6e (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 龍亜さん» レス遅くなりました！💦ありがとう！！！楽しんでいってください！！ (9月26日 16時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2023年8月7日 3時
