十節 ページ13
西野の声でこの時間、教室に生徒全員が集まるらしい。
らしい、というのは俺はその集まりに入っていないから詳しくは知らない。
多分行かなきゃいけないんだろうけど。
そんな俺は今、自販機の前でかれこれ5分立っている。
オレンジジュースか、りんごジュース。
とは言ってもこれは然程重要では無い。5分だけでも時間を潰し面倒くさそうな集まりから逃げるための行動だ。
然しながら後ろに他の人が来たので仕方がなくりんごジュースを買ってノロノロと来た道を戻っていく。
ちなみにりんごジュースを買ったこのお金は俺のでは無い。誰のお金かは伏せて置こう。
階段を上り、角を曲がると野球部2人が慌てて教室に入っていくのを見かけた。その瞬間迫田の怒鳴り声が聞こえ、すこし肩を上げた。
うん、煩いかな。
仕方なく俺も教室に戻った。
____
【NO】
蓬田「わりぃ、遅くなったわ!」
迫田「おい!」
教室に慌ただしく入ってきた蓬田健斗と森海悠仁。遅くなったという蓬田健斗に迫田竜輝は怒号を浴びせた。
迫田「待ちくたびれたぞ」
西野「ちゃんと全員集合するなんてクラスの一体感半端ないね」
中園「来ないと後々面倒なことになるからでしょ、それにまだA君来てないけど?」
中園胡桃は西野美月に噛み付くようにそう言う。
月野「ちょ…中園さん」
それを止めるかのように月野春香が声を出した。
が、その声は当たり前のように本人にしっかりと届いていて西野美月はドスの効いた声を中園胡桃に向かって吐く。
西野「は?」
瓜生「おいおいおい、余計な揉め事はやめろよ、なぁ?」
これ以上嫌悪感を出されたら話が進まなくなるからたまったもんじゃないと机の上に胡座をかいて座る瓜生陽介は口を挟み、二人を落ち着かせた。
中園胡桃は何処か不満げだが大人しくなったので良しとし、それを確認した相楽琉偉が
相楽「Aは特別だから」
そう呟いて教室全体は完全に静まった。
そして、
野辺「では、本日の罪状を述べます!」
始まった。
野辺「被告、鵜久森叶は担任教師、九条里奈にさもいじ,めの被害にあったかのように密告をし、私たちD組の生徒を退学、停学の危機に陥れたとして名誉毀損の罪に問いたいと思っております!」
野辺桐子が教卓の後ろに立ち、手を挙げそうクラス全員に告げた。
当の本人である鵜久森叶は、その罪状を聞き顔を歪め、今にも泣き出しそうだった。
同じく教卓にいる向坂俊二が鵜久森叶に聞いた。
向坂「はい、では、被告の鵜久森さん。陳述をお願いします」
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龍亜(プロフ) - 何回も読ませて頂いています。何回読んでもとっても面白いです。次の更新待ってます!頑張って下さい! (4月20日 18時) (レス) @page11 id: 3f328260d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - るいくんから愛されてる(名前)くん好きです!続きが気になります!更新待ってます!頑張ってください!!! (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - ゆいちーさん» ありがとう!!これからも頑張ります!!! (9月29日 8時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいちー - 更新嬉しいです!これから先も、頑張ってください! (9月27日 20時) (レス) id: 04235e7b6e (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 龍亜さん» レス遅くなりました!💦ありがとう!!!楽しんでいってください!! (9月26日 16時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yui | 作成日時:2023年8月7日 3時