38 - Hokuto - ページ38
氷を持ってきたAちゃんは雑誌につまずき、俺の上に覆いかぶさるようにこけてしまった
A｢ご、ごめん、つまずいちゃって｣
そう言いながら俺を見上げると
息がかかるくらいの顔の近さで
お互い恥ずかしくなりパッと離れた
｢だ、大丈夫だよ
Aちゃんも怪我ない？｣
A｢う、うん私も怪我ないよ｣
2人の間に流れる沈黙
気まづい、、
あ、さっきのこと聞きたい、モヤモヤするし
｢あのさ、
さっき見ちゃったんだよね｣
A｢え？｣
Aちゃんは何もなかったかのような顔をしている
その鈍感さに俺はイライラしてしまう
｢だからぁ、さっきマンションの前で｣
ちょっとぶっきらぼうな言い方になってしまう
A｢あ！翔吾のこと？？｣
｢そ、そう｣
A｢え？翔吾がどうかしたの？｣
｢なんで気づかないの…｣
小さい声で言ったつもりがAちゃんには聞こえてたみたいで 何が？という顔をしている
｢はぁ、なんで分かんないの
さっきその幼なじみくんに頭ポンポンされて照れてたじゃん、だからAちゃんは幼なじみくんのこと好きなのかなって｣
イライラしたくないのにイライラする
A｢え！！違う違うないないないない！
翔吾はずっと幼なじみでなんか私の双子のお兄ちゃんみたいな！しかも、翔吾には好きな人いるし！
私も違う人好きだし！！｣
すごく全力で否定して、逆にあやしい
でもその後すぐに恋愛感情はないんだと分かった
けど1番最後の言葉は聞き捨てならない
｢分かったよ笑 幼なじみくんとは何もないんだね。
じゃあ、Aちゃんの好きな人って誰なの？｣
ちょっとだけ期待してる自分がいた
Aちゃんは他の男と関わりあるように見えないし、幼なじみくんは違うし
A｢え？！私好きな人いるなんて言った？！｣
｢言ったよ、幼なじみくんとは違う人が好きって｣
A｢え、き、きっと気のせいだよ｣
｢そっか、｣
これ以上聞いても
絶対教えてくれないから、
聞くのをやめた
A｢ほ、北人くんこそ好きな人いるの？｣
｢Aちゃんが教えてくれないなら、俺もおしえな〜い｣
A｢えぇ、なんでぇ？！｣
｢当たり前じゃん、フェアにいかないとね｣
A｢じゃあ、まだ言わない｣
｢分かった、俺もまだ言わない｣
.
.
.
.
この時お互いが言っていれば何か違ったのだろうか
そう思う時が来るのはまだ先だった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milk tea | 作成日時：2019年7月31日 0時
