貴方、 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:6,854 hit

1 ページ2

学校が休みの土曜日

スマホとにらめっこしながら友達の沙耶と待ち合わせているカフェへ向かう

『おはよう』

沙「おはよ。いつも通り時間ピッタリだね」

『でしょ。てかこれ、見てよ』

沙耶にスマホを差し出す

沙「え〜！誘われてんじゃん」

『そうなんだよ〜』

私は今、異性の男性からお誘いを受けている

しかも年上

沙「で、どうすんの。行くの？」

『どーしよっかなーと思って』

沙「なんでよ！行きなよ！あんた今日超おめかししてんじゃん！」

『いやそうなんだけどさ』

あのメッセージを見てから変に意識してしまった

沙「え〜いい人だと思うよ？メッセージ見る限りね」

『そんなの誰だってそうだよ』

黙り込む沙耶に耐えられず私は1口オレンジジュースを飲む

沙「大丈夫だよだって護身用グッズ持って来てんでしょ？」

『まぁ』

沙「じゃあ大丈夫だって1発かましてやればさ〜」

今日限定ではなくいつもご信用に持ち歩いている催涙スプレーとスタンガン

『うーん』

沙「じゃあはい、行っておいで！」

『あ、ちょっと！』

沙耶に差し出したスマホにはいつの間にか会うことを承諾したメッセージが送られていた

沙「何？まだ不安なの？」

『バレたらどうするの？』

沙「何が？」

『歳だよ！高校生だってバレたら？』

沙「そん時はそん時だよ。まあ、1発かまして逃げるに限るよね」

そう言って沙耶はアイスティーを飲み干した

結局私は今、指定された時間に待ち合わせ場所に来ている

〈今日どっか行かない？〉

〈海とか〉

このたった二通のメッセージに私は振り回されている

なんでこんなことになったのか。

そう思って記憶を遡る

それは私がまだ残暑の中ではなく、猛暑の中にいた時の話だ