【六ノ型 記憶】８:自信 ページ30
「まつ毛ついてたよ」
(まつげかよっっ！！！)
手に摘んだ1本のまつ毛を私に見せ微笑んだ。
(やっべぇっ！輝利哉様にとって子供の私にそんなことするわけないじゃァァんっっ！！！しかも私には無一郎くんがいるのにっっ！！)
「あ、あのっ！わたっ！私もうい、行かなくてはっ！！」
「そうなの？じゃあ今度の柱会議でね」
「はっはいっ！！」
急いで襖を閉め息を整える
ヒッヒッフー、ヒッヒッフー、ヒッヒっあ、違うこれじゃないスーーーーーハーーーーーーそう。これだ。
私はとりあえず歩きながらスーハー、スーハーと深呼吸をつづける。
そういえば今度の柱会議っていつだ？
半年に1回だから
「ひーふーみー・・・・明日じゃん」
指を折りながら前回の柱会議から数えて行くと明日と計算された。
明日、明日かぁ・・・
別にいいけどさ、あの人たちを納得させることができるのかな？風柱は兎も角として覚えてない人の蛇柱とか炎柱とか・・・ね？
「自信ないなぁ」
私の呟きは誰に聞かれることも無く消えていく
自信が無い。自信が無いんだ。いつもいつも私は弱いから、誰よりも弱いから
庭の池を眺めぼーっとする
鯉が自由に動いて懸命に生きている
私は唯一無二の柱じゃない
しのぶさんのように薬学に通じているわけじゃないし
冨岡さんのように洗練された呼吸じゃない
パッパのように力強い技を出すこともできない
不死川さんのように特殊な血が流れているわけじゃない
伊黒さんのように合理的に考えることも
甘露寺さんのように誰かを救うことも
無一郎くんみたいに才能があるわけじゃない
有一郎くんのように誰かを叱ることも得意じゃないし
宇隨さんのように多彩な才能があるわけじゃない
煉獄さんのように誇り高い人でもない
悲鳴嶼さんのように最強な訳じゃない
じゃあ、私は一体何が出来る？何があって柱に？
自信喪失・・・では無い。
もとより自信はなかった。
けれど、柱になればいつか自信は作って思って・・・無理だった。
自信はどうやって身につける？
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作者名：まぃ | 作成日時：2020年7月24日 0時
