午前零時の哀歌

4年ぶりの涙．17 ページ18

ドラケンside



買い物中に偶然三ツ谷に会った



そのままだべって一緒に歩いていると、いつも冷静な三ツ谷が焦ったように口を開く



三ツ谷｢ッ！ おい あれ!! ｣



ドラケン｢なんだよ｣



パッと指をさした方を見ると



そこには 赤と黒のバイクと それに跨り走るAの姿



ドラケン｢は！？｣



俺らは急いで走った 宛もなく走った



大体10分は経った頃だろうか 雨が降ってきた
大雨の中もう人のいないマンションの入口にAのバイクが止められてるのを見つけた



三ツ谷｢...何処に居ると思う｣



ドラケン｢...屋上｣



三ツ谷｢だよなぁ｣



ドラケン｢早く行くぞ｣



三ツ谷｢おぉ｣



屋上へ着くと かすかに声が聞こえる




『なんで...先に逝っちまったんだよ』



『零愛......零愛ぁ...』



Aが...泣いている



あの日以来 Aが泣いているのを見たのは初めてだった



どんなに痛くても、苦しくても、たとえ仲間が死のうとも...4年間 1度も泣かなかった



Aが自分自身に《呪い》をかけたから



何があったのかは分からない でも 俺はAを泣かせたやつをぶん殴ってしまうかもしれない


ドラケン｢A｣



『ケ...ン？三ツ谷...なんで』



『...なぁ...』



『...どうしよう』



『泣くのなんて...久しぶりだからさ...』



『止め方がっ...分からねぇ』



泣きながらそう聞いてきた



無理して笑いながら 泣いていた



『笑えば...笑えばいいのかなぁ』



俺達は固まってしまっていた



俺らはAが無理してずっと泣かなかったのを知っていた



こんな時にまで 必死に笑顔を作って



三ツ谷｢涙が出た時は 思いっきり泣けばいい｣



三ツ谷｢泣きたい時は 泣いてもいい｣



ドラケン｢無理して笑う必要はねぇよ｣



『そっ...か』



その後Aは笑うのをやめ 泣いた



雨の音に混じり 少女の泣き声が空へ木霊した



沈黙を破ったのは Aの衝撃的な言葉



『...もう...死にてぇ...』

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