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私がとりあえず離れた距離はすぐに詰められて、腕を取られて箱を掴もうとしたユンギから身を捩って、私は逃げた。
今これ見たら絶対「馬鹿だ」が「ものすごく馬鹿」になるってわかってるから。
『ご飯食べて!それから寝室で開けよう!』
YG「寝室で?お前、まさか変なもの買ってないよな?見せろ…てか、おい!」
ユンギの声を背中に聞きながら、私はバタバタ階段上がって、適当なドアに飛び込んだ。
何かプランがあったわけじゃなくて、とりあえずこのプレゼントは今じゃない。
ベッドの上にでも置いておくんだったな、ってさっきまで浮かれてた自分をなじる。
鍵をかけてからここがウォークインクローゼットって気付くくらい、焦ってたわけだけど。
木を隠すなら森の中…ここならいいかも?
いやでもせっかく包装してもらったのに、私が開けて隠していいもの…
ガチャ
えっ!?ドア開…
確かに鍵かけたはずなのに、普通にドア開けて部屋に入ってきたユンギに、驚きのあまり固まってたら
YG「鍵かかるところにはあんだよ、マスターキーってもんが」
って、口の端っこ持ち上げて笑ってら。
そ、そうなんだぁ?
ずいっと手の平を私に向けて、私が手に持つ薄っぺらい箱を寄越せと手招かれる。
YG「プレゼントだろ?お前が俺のために、頭捻ってなんか買ったんだよな」
一歩、私に近付くのを、私は一歩後ろに下がる。
『…そ、そうです…』
YG「それお前、俺に渡さないって、おかしくない?」
急ぐこともなく、楽しそうに一歩ずつ近付いてくるユンギに、私は箱を抱きしめる。
『お、おかしい、かな?』
YG「しどろもどろじゃん。何、そんな変なもん買ったの?」
YG「大人のおもちゃ的なもの?」
ばっ
ばあか!!!
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年1月28日 22時