ボナペティ！【ALL】 (ページ22)

今日:18 hit、昨日:13 hit、合計:73,752 hit

◇ ページ22

出会ってからもう何度目かもわからない俺の「わからない」に、ヌナはにっこり笑って

『関西弁がでちゃう時は、リラックスしてるってことだよ。

ナムジュン君が関西弁覚えるか、私が韓国語覚えるの早いか、旅行中に競争しよか』

えっ。

そんな不意打ちで俺を喜ばすの？

関西弁、教えるの面倒だから嫌だって言ってたのに。

俺はちょっと感動して、思わずヌナを抱き上げる。

ザブン、ってお湯が大きく波打って、泡で滑ったヌナが慌てて俺の肩にすがりついた。

『たいたいたい！腰！！優しく！』

「教えてくれる？ヌナが」

いたがって顔を歪めるヌナを見上げて、俺は顔が緩むのこらえられ無くて、全開の笑顔で尋ねた。

そしたらヌナは、俺の笑顔をちょっと長めに見つめた後に、つん、って俺のエクボをつついてから

『逆に私以外に、教わらないでね』

ちりっとハートをひっかくような、とろっとした暗い声。

えっ、ヌナ今嫉妬した？

ちょっとした感動を覚えつつ、ヌナの情事の後でけぶるような目の中覗き込んだら、いつもよりも素直なヌナが俺を不安そうな目で見てる。

胸の中に、じんわりと、愛と言う名のしずくが落ちて、落ちて、落ちて。

ほんの少量のはずのそれに、俺は十分満たされた。

NJ「カンサイベンを教えてくれる人なんて、そんな人A以外に、金輪際いないから」

噛んで含めるように言ったら、Aは今日ずっとそんな感じの、じわじわっと喜びがにじむ感じの笑い方をして、俺の唇に落ちてきた。