ボナペティ！【ALL】 (ページ17)

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ナムジュン君が予約してくれたホテルは、スマホで見せてもらったけど森の中にあるって感じの隠れ家って感じのとこだった。

空港からはずっとタクシーで移動だったけど、運転手さんという人目があるので接触はゼロ。

会話はずっと日本語で、これから先で食べられるご飯のこととか、ホテルはプライバシーが保たれるとこだから安心だとか、そんな当たり障りの無い話。

ナムジュン君はずっと大きい濃い目のサングラスしっぱなしだから、目が見えなくて、どんな感情持ってるのか全然わからない。

ただ、口調はずっと明るくて、年相応なワクワクが伝わる声で、私も同じくらいワクワクしてるから全然退屈じゃなかった。

大阪とはちょっと違う街並みと、すれ違う看板のハングルとか、空気の匂いとかそんなものが旅行の期待をこれでもかって煽ってきて、なんか胸がはち切れそう。

さあっと開けた視界の先に、海が見えた時はもう、なんていうか私子供に戻ってたと思う。

『海や！！わあ！すごい！きれい！』

NJ「天気が良くて、よかったね」

思わず窓の向こうを指さしたら、ナムジュン君はにこにこしたまま、ちょっと私に体を寄せて、一緒に窓の外をのぞき込む。

のし、って感じで背中に触れた彼の胸が、薄いシャツ越しにも暖かくて、私はそれだけで何か。

じゅんって来た。

おお、やばい。

これはあれだ。

タイミング的にも、排卵直後の発情期…

私今日絶対、失敗できない日だ。

でも絶対、シタい日でもある。

私がそんな事考えてるなんて、きっとナムジュン君は露とも知らない。

それもまた興奮して、私は一人、解放を待ち望む小さな熱を、体の奥ででふつふつと育てた。