ボナペティ！【ALL】 (ページ16)

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ぼんやりコーヒー飲みながら、韓国ってそもそも何が楽しめるのか調べてなかったことに気付いて、今更ながら検索して見てたら、ピロンって通知。

NJ「着いたけど、タクシー乗り場に来れるかな」

って、館内地図のスクショが届いて、私はキャリーケースをガタゴト言わせながら指定の場所まで向かった。

タクシー乗り場の正面の壁に、背の高い人がバケットハットを目深に被って、サングラスかけて携帯をいじってる。

芸能人オーラは隠してるのか、すっごく普通のお兄ちゃんと言った感じで、私はニコニコしながら近寄った。

『お待たせ』

NJ「ヌナ」

私が自然に腕を絡めたので、ナムジュン君はちょっとびっくりした顔して、それから口元がむずむずってしてた。

キスしたいのかなって思って首をかしげたけど、ナムジュン君はちょっと私の肩を押して、距離を取って深呼吸。

NJ「ごめんね、後で説明するけど、俺微妙な立場だから、外ではその」

『あ、せやったな。あかんのか』

私は本当に失念してたもんだから、慌てて掴んでた手を離す。

ナムジュン君は私が掴んでたとこをちょっと触って、さすりながら

NJ「いや、ほんとはすごく嬉シイ。ヌナ」

って、ふんわり浅いエクボで笑うから、正直そこにキスしたかった。

やばい。

私の方が、よっぽど浮かれてる。

休みも久しぶりで、旅行ももちろん久しぶり。

彼氏できるのも、久しぶり。

ナムジュン君がエスコートしてタクシーに乗り込んだけど、傍らちらちら眺めてたら、じわじわ実感湧いてきて、その手をつなぎたくて仕方ない。

がまん。がまん。

手を繋いだら、その先も期待しちゃうの分かってるから、ほんと。

がまん。

うん。

がまんするのも、なんか良い。

フフ、って笑ったら、ナムジュン君が

NJ「ヌナ、嬉しい？俺良いコトしたよね？やっぱり」

って言ってにこっとするから、私はいやらしいこと考えてなんかいないふりして、黙ってにっこり微笑んだ。