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うくく、って私の背中に額付けて喉で笑うから、なんか音が身体の中に響いて心臓に悪い。
『座ってって、言ったのユンギさんじゃないですか!』
「ちがっ、ばか、…はぁ、こうでしょ」
笑いながらぐっと腰を持たれて、ぐるんって感じで横抱きにされた。
『うひゃお』
変な声出た。
「足は伸ばして、手は俺の肩な」
『ひい…!ふわぁ…!』
ユンギさんにレクチャーされるけど、憧れのお姫様抱っこ的な状態に、私のライフが底をつきかけている。
「ほんで、顔はこっち」
ぐっと胸が重なる感じで抱き寄せられて、顔はユンギさんの肩口にぽすっと収められた。
あ、それなら大丈夫。
顔見えないから、ちょっと安心。
ふう、と力を抜いたのがわかったかのか、また揺れる私の身体。
私の挙動不審を笑うユンギさんは、からかわれてるみたいで悔しいけど、でもこの体制は、ちょっと良い感じ。
呼吸が胸に伝わって、肩に収まる私の顔も、まるでジグゾーパズルのピースみたいにかっちりはまって居心地が良い。
首筋がすぐそこだから、ユンギさんの香水がいい感じで鼻をくすぐるし…
「はあ、最高」
あ、それね。
あれ?私、そんなユンギさんみたいな声出せたっけ…って、違う。
ユンギさんがそう言ったのね。
『私も』
思わず言ったら、ユンギさんが笑ってる。
「へえ?Aは俺の何で?」
『た、体温とか…』
香りにって応えるの、ちょっと恥ずかしくて誤魔化したら、
「俺は、Aがすごくコーヒーの香りするから。髪も、首も、肩も」
手を取られて、手首をスンってされて、そのまま軽く握った私の手の中の匂いも嗅がれた。
「飲まなくても十分。コーヒーだよ、これで」
そっと引き寄せられて、首筋を思い切り嗅がれた。
犬?
ううん、ユンギさんだから、なんか猫っぽい。
表情が見えないけど、多分顔も猫みたいになってる気がする。
猫耳ユンギ、最高にお似合いなのを思い出して、私はくすくす笑ってしまった。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年1月28日 22時