ボナペティ！【ALL】 (ページ19)

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ホテルは前に一度来たことがある場所で、ほんと山の中の隠れ家って感じの、完全プライベートエリアだ。

公園の中に、個別に部屋がある感じ？

部屋にあるバルコニーも鬱蒼した木々が目隠しになってて、俺が過ごすに何の問題も無い場所。

ただ一応、フロントで書く名前は適当に日本名にしたら、ヌナが俺の手元を見て

『金森みなみ？女の子みたいね。かわいい』

って笑った。

NJ「そう？デモこれじゃ、俺がおヨメに行ったミタイだよね」

何気なく言ったのに、ヌナは黙ってしまったから、横目でその顔ちらっと見たら。

『ちゃうわ。ヨメちゃう。ムコやで…』

って言いながら、かかかって感じで顔が真っ赤になってた。

ヌナのスイッチ、良く分からない。

でも、やばい。

俺の我慢が、うまく飲み込めない。

カードキーを受け取って、ポーターと一緒に部屋まで案内される間、ヌナは韓国熱い、って言いながら受け取った周辺案内のリーフレットでずっと顔をあおいでた。

俺は、ここに来る前までヌナの部屋で、ほんと、お互い皮膚がくっついたんじゃないかってくらい一緒に過ごして、感情も体温ももうこれ以上は入らない、本当にいっぱいいっぱいだってくらい補充しまくったはずなのに。

場所が変わったくらいで、何なんだ。

急激にのどが渇いて、一瞬で枯渇した。

ヌナが足りない。

頭のてっぺんまで補充したはずなのに、全くもうまるっきり俺の中に、Aが足りない。

部屋は1番ラグジュアリーな、奥の部屋にしちゃった俺。

お陰で永遠に続くのかなってくらい、長い廊下を歩かされてる。

早く早く早く。

早く。