Fear (ページ30)

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慎太郎の視線がゆっくりと俺に向けられる

慎「単刀直入すぎたかな、

…でも。何がしたいの？」

え？

北「なんの、こと？」

慎「とぼけんな、知ってるから。」

俺が彼女に何の目的で近づいたかってこと？

それともこないだ彼女を連れていこうとしたこと？

予想しなかった展開に頭が真っ白になる

慎「無言は、肯定ってみるよ。

前にね、北斗とピンクの髪色の男が話してるの見た。

内容も、悪いけど、聞いた。」

慎太郎の視線は俺を捉えて逃さない

もう、逃げられないぞって

獲物をロックオンしたときの猛獣の目

北「…どこまで、知ってるの」

慎「俺の友達に髙地っていたの覚えてる？

アイツの友達の中に、北斗と同郷の人がいてね…。

北斗、地元まぁまぁ遠いよね？

北斗がわざわざこの街に引っ越して来たってことも、知ってる。」

一呼吸置いて慎太郎は続けた。

慎「Aは、さ。

家族に恵まれなかったから。

…父親に裏切られて、それでも、

全然いいよ、大丈夫って。

父親のこと許すようなやつなんだよ。

今まで近くで見てきたから言うんだけど。

…アイツには早く幸せになって欲しい。」

時折唇を噛みながら話した慎太郎

薄らと目が赤くなっている

慎「だから、もう

Aに関わんないで。

アイツに何するつもりか、

何でアイツの個人情報をピンク男から手に入れてんのか知らないけど、

もうAが、アイツが

…裏切られて泣いてるとこ、

見たくないんだよ。」

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