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北「…あれ、何」
彼女のマンションを離れ
手を繋ぎ少し歩いて
近所の公園まで来たところで
彼女に再び問う
「…1週間前、白い封筒が届いたの」
北「それって、今日も、」
「うん、あれなの。
毎回、差出人は不明。それで…」
彼女が続けた内容はこう。
1週間前、突然匿名で彼女宛に届いた封筒を開けると中身は大量の盗撮写真だった。
それからというもの2日に1回程度届くようになり、それに増して中身の過激度も増した。
写真、剃刀の刃、血、毛、爪、彼女の部屋の音声データ
封筒に入っていた剃刀の刃に気づかず手を入れて、何度か指を切ったらしい。
俺に隠していた理由は
俺が写っている写真もあるため、
俺が危険に晒されるのを恐れて話さなかったこと。
北「俺には、教えてよ…、
頼ってよ、A」
「ごめん、だけど、怖くて。」
街頭に照らされ見えにくいが、
彼女の目に薄ら涙の膜が浮かび上がっている
そんな彼女を思わず抱きしめた
北「ごめん、気づけなくて。」
「ほく、と」
北「もう、抱え込まないで。お願い」
これは全部、無意識
彼女の後頭部に手を当て、
子供をあやす様に撫でたのも、
全部
無意識なんだ
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作者名:朔 | 作成日時:2020年5月9日 13時