Fear (ページ17)

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16. ページ17

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一通り自己紹介を終えると

さっきから目線を感じる慎太郎から話しかけられる

慎「……北斗。」

北「ん？」

慎「北斗って呼んでいい？」

先程までの番犬モードはどこへやら
今はただの人懐っこい大型犬のように目をうるうるさせる目の前の慎太郎

聞く前に呼んでんじゃん、と思いながら全然いいよと返事をする

慎太郎に便乗するように、
ジェシーと髙地も、俺も！俺も！
と何故か全員と下の名前で呼び合う関係になり、

結局その時に連絡先まで交換する羽目になるとは思ってもいなかった

駅で彼らと別れ、2人で電車に乗ると
不意に彼女が窓の外を見ながら口を開いた

「…私の友達ね、あの3人だけなの」

北「え、」

「ごめん、変なこと言ったね、
忘れて」

忘れても何もすべて知っているんだから
忘れてと言われても忘れない

理由は聞きたいところだが、

教えて貰えるのは今じゃないようだ

ふと揺られる電車の中で隣に座る彼女は

気の所為かいつもより小さくみえた

このとき、
彼女が胸に抱えていたものは何だったのか

それを俺が知るのは

もっと、もっと、ずっと

取り返しがつかなくなった未来の話

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