Fear (ページ15)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:34,883 hit

14. ページ15

.

それから程なくしたバイト終わり

いつもの様に一緒に帰っていると

「そういえば明日親睦会じゃん。」

北「あー明日か。

うわ、忘れてた。」

店長が

バイト全員の顔合わせも兼ねて、

といって明日の定休日に

親睦会を開くと言っていたことを思い出す

北「Aはバイト全員と会ったことあるの？」

「んー、名前だけしか知らない人も

何人かいるかな。

北斗は…全員はないよね。

私とずっとシフト被ってるもんね。」

彼女の発言にヒヤリとする。

平静を装って彼女の顔をみると、

彼女の黒曜石のような真っ直ぐな瞳に捕らえられ、

視線を離すことを許されない

その表情は……なに？

全く読めない

生身の心臓に

研ぎ澄まされたナイフが当てられている感覚

北「…ごめん、わざとだよ。シフト。」

「え？」

北「あの事件、知らない店員もいるでしょ。

だから…その…。」

「っ、ごめん、気遣ってくれたの？」

北「ちょっと気持ち悪かったよね？

ごめん。」

「ううん、むしろ私の方がごめんね？

ありがとう。」

心の中で、ふぅ、と安堵する

…一瞬、気づかれたかと思った

なんとか誤魔化せたか…？

じゃあ、また明日

と言っていつものところで彼女と別れてすぐ

スマホに着信を知らせるバイブ。

友達が少ない俺に

掛かってくる電話なんて限られている

北「もしもし？」

樹『おー、バイトおつかれ～。』

電話越しの樹は

お酒を飲んでいるのか、少し上機嫌

樹『ねーえー、もうさ…』

と痺れを切らした樹からの提案を

俺は早速明日実行しようと決めた

.