27話 ページ27
クリームコロッケパンをいつもの階段で食べながら
山本くんみたいなことが起こらないように
どうすれば良いか考えてた
好意を寄せられてると感じたら避ければ良い話だけど
木兎がどのラインで気を悪くするかが分からない
A「次の授業なんだっけ」
【五限目:現文】
先生「…それじゃあKと私の人生にとっての恋のもつ意味とは何でしょう、佐山さん」
佐山「…えーっとKにとっての恋は"高嶺の花"とか"崇高なもの"とか?私にとっての恋は"生活する上で起こりうる当たり前なこと"…」
先生「はい、いいですね。三角関係になった時点で私にとっての恋に関する考え方が嫉妬や略奪に変わります。しかしKは…」
木兎「はい!」
先生「はい、木兎くん」
木兎「すいこうって何ですかッ!」
先生「そうね、気高く偉大な事かしら」
木兎「気高く…偉大…」
なんか考えてる…か?
【休み時間】
木兎「偉大ってなに?」
私の机の前にしゃがんでそう聞いてきた
やっぱりなんか考えてたんだな
A「難しいわ…優れてて立派な人に使うんじゃない?」
木兎「ふーん、俺はどうしたら立派になれる?」
私の指と指の間に木兎の指が絡んで
うつむきながら聞く彼に鼓動が速くなる
A「…っ、ぼくとくんはじゅうぶんりっぱなのでは?」
パッと私の顔を見上げて
木兎「どの辺が立派に見える?」
A「…………んー…」
木兎「あー!うそつき!むー…」
バレーしてる時とか立派だと思うんだけど
たぶん納得しないしな
なにを思ってそんなことを聞いてきたのか
A「急にどうしたの?」
木兎「んーん、なんでもない。」
チャイムが鳴り木兎は席に戻った
多分さっきの現文だな
主である"私"が海岸で出会った男性"先生"の不思議な魅力に囚われ慕うところから始まり
先生の過去、悲劇が明らかになっていく
友情と恋のどちらかを選ばなくてはいけない
愛する人を奪われてしまうんじゃないかと恐れ
愛する人には綺麗なものだけ見ていて欲しいといった
先生の人間らしい感情
罪悪感や嫉妬
人の心を台にした物語
なにを考えてたかは分からないけど
きっと自分に重ねたんじゃないかな
なにかを大切にしようとする反面
誰かを傷つけてると思っているとか
木兎にもなんらかの罪悪感があるんだろうか
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作者名:M子 | 作成日時:2020年2月27日 13時