水の中の花火2 (ページ7)

今日:10 hit、昨日:16 hit、合計:31,710 hit

48：新たな事実ページ7

・

ジミニヒョンとの記事が出ただけで
Aの仕事量は何も変わらなかった。

逆に、ドラマや映画のオファーが立て続けに数件入ったけど
ユナさんがAの今の状態を見て断ったと聞いた。

あの記事が出てから、
俺はほとんどAの家に泊まっている。

事務所にもAにも
今は控えた方がいいと言われたけれど、
苦しい時はずっとこうやってAと生きてきた。

「はい、口開けて」
「グク私要らないって」
「いいからほら」

Aが要らないって言ったお粥を少しだけ作って、
無理矢理Aに食べさせる。
そんなことをほとんど毎日している。

ジミニヒョンが会議室でAとの記事の話をした日。
「怒んないの？」ってそう聞かれた。

「怒りませんよ。2人のことは、何となくわかってたし」

そう言うとヒョンは「そっか」と俯く。

「謝ったりしないでくださいね」
「え？」
「多分、その方が腹立つから」

でも後から聞いた。
ヒョンとAの記事の内容を
記者にリークしたのは俺に付き纏ってたサセンだって。

段々と汗が吹きでて、握る拳の力が強くなっていく。

誰、そいつ。
顔、年齢、特徴は？

ギリギリと体が震える俺を鎮めるようにマネージャーは
それについてはもう事務所がそれ相応の対応をしたと言った。

「お前はビビさんの事になると何するかわかんない」って、
そんな言葉と一緒に。

・