47:できること ページ6
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ジミンさんとAの記事が出た。
"お互い好意を寄せていましたが、
現在はそのような関係ではございません"
それが、2人が出した結論だった。
記事が出た当日の撮影。
どんなに小さな声で話していたって、
小言はきっとAに届いていて、
それでもいつも通り、
女優の"ビビ"として仕事をこなすA。
「少し有名になったからって調子乗りすぎ」
記事が出て数日が経っても
どの現場でもそんな薄っぺらい陰口が聞こえる。
でもそれが、世論の声だった。
"尻軽"
"ジョングク利用してジミンに近づいたって記事で見たけど
相当な男好き?それとも面食い?"
"今すぐにジョングクと縁切って欲しい。勿論ジミンとも"
"BTSの顔に泥を塗るな"
擁護の声も少なからずあった。
それでも当人に届く言葉は
いつだって心は無いし、冷たい。
「A、ご飯食べてる?」
「んー、ちょっとダイエット、笑」
「しなくていい。」
「…へへ。…ねぇ、オンニ?」
「ん?」
「ごめんね」
弱々しいAの背中が
初めて会ったあの日と同じくらい
小さくて、今にも消えてしまいそうで。
その体を抱きしめて、そばにいることしか
Aに私ができることはなかった。
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作者名:cino | 作成日時:2023年10月22日 0時