水の中の花火2 (ページ30)

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ボールが跳ねる音
子供たちの笑い声

日差しがしっかり入る場所に
施設を立ててよかった。

色んな理由で1人になってしまった子達が
ここに笑顔を咲かせて輝ける。

女優を辞めて1年が経つ。

辞めてからすぐ孤児院を建て
施設長の所では受け入れきれない子供達を
私が見ている。

大丈夫だと言ったのに
施設に設置する家具や遊び道具、
外にある遊具など諸々
グクやジミンさんの力によって
あれよこれよと準備され
子供達がなんの不自由もしない
施設を作れた。

たまに施設へ遊びに来るグクは
子供達と同じくらいはしゃいで
たまにはグクが遊具なんじゃないかと
思うほど遊ばれていて、微笑ましい。

「みんなと遊ばないの？」

最近施設に来たばかりで
まだここになれていない
女の子のソラちゃん。

施設に来た時からずっと持っている本を
今日も大切そうに抱えながら読んでいた。

「せんせい、この本しってる？」
「うん。知ってるよ」
「この子、ソラみたい。ずっとひとりなの」

昔の私に重なる。
1人だということを受け入れて、
それでももがくように生きていた私に。

「でもね、ソラにはこの人がいない」

ソラちゃんが差したのは
本の中の女の子が恋に落ち
最後には結ばれる男の子。

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