64:引き際 ページ23
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ジミニヒョンのこと、嫌いなわけじゃない。
人知れない苦労を共にしてきた仲間で、
家族以上の大切な存在。
でもAは、
Aへの気持ちは
何の型にもはめたくない。
唯一無二、そんな言葉が一番しっくりくる。
笑顔で幸せでいて欲しい。
誰よりも。
もしAが堕ちていくことがあるなら
俺も一緒にどこまでもついて行く。
仕事を休んでから
Aに笑顔が確実に増えていった。
それでもふと、
ぼーっと何かを考えている時がある。
「どうした?」って聞くと
「なんでもない」って下手くそに笑って
次は、少し傷ついた顔をして。
Aはきっと、重ねていたんだ。
俺に、ジミニヒョンを。
それなら、俺じゃダメだ。
俺ができる全てで
Aから痛みを取り除く事ができるなら
死ぬまでそばにいようと誓ってたけど、
俺がそばにいることで
Aが苦しくなるなら、
横にいていいのは俺じゃない。
俺がヒョンを試してから
ヒョンはずっと俺の言葉を気にしてるように見えた。
それでも、プロデューサー達に
毎日頭を下げに行くのを欠かさなかった。
絶対許可なんて降りるわけないのに、
ヒョンも頑固で。
そんな姿を見て思った。
Aが好きになった人が
ジミニヒョンで良かったって。
ジミニヒョンなら
俺よりもAのこと
幸せにしてくれるって。
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作者名:cino | 作成日時:2023年10月22日 0時