水の中の花火2 (ページ21)

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62：僕とは違うページ21

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「まず先に言います。
Aのこと、ヒョンのせいじゃないです」

そう切り出されジョングガが話す話は
どう解釈しても僕のせいだとしか思えなかった。

「ヒョンがAのそばに居ても
結局こうなってたと思います」

慰めなのか。
無力な僕への牽制なのか。

ため息を吐くジョングガの本意は分からなかった。

「まだAが好きですか？」
「…好きだよ」
「どうして？」
「どうしてって、」
「Aのこと、何も知らないのに」

言葉に詰まった。

本当に、そうだったから。

だからってAちゃんへの気持ちに
嘘は何一つ無い。

だけどジョングガは違う。
僕の知らないAちゃんのこと
沢山知っていて、
その上で誰も計り知れない年数を
Aちゃんと共にして。

「Aのためならなんだってできるって
ジミニヒョンはそう思えますか？」

Aちゃんの全てが好きだよ。
きっと、知らなかった一面を知っても
この思いは変わらない。

でもそれを胸を張って
目の前のジョングガには言えなくて、
黙り込んだ僕にジョングガは言った。

「俺は世界中敵に回しても、Aのそばにいます」

真っ直ぐな目が、少し痛くて目を伏せた僕を
置き去りにするようにジョングガは立ち去った。

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