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鴆「いい加減にしてくれよ!?」
唯の爆発は自室で向かい合ってからだった
鴆「行く先々で待ち伏せしやがって…お前、本当は後5匹ぐらいいるんじゃねぇか?」
番頭「5匹で済めば良いですが…」
番頭は顔色変えずに恐ろしいことを言う
鴆「お、脅かすなよ…」
番頭「そんなに出掛けたいのですか?」
鴆「嗚呼、出掛けたいね」
番頭「駄目です」
鴆「良いじゃねぇか、現場をフラッと彷徨くだけだよ。なんもなけりゃあすぐに帰って来る」
番頭「何かあってからでは遅いのです。山へ薬の材料を採りに行くのとは違うのですよ」
鴆「心配しすぎなんだよ、お前は。ソレにもし襲われても__」
番頭「いいえ、駄目と言ったら駄目です。わざわざ貴女様が行くことはありません。お屋敷の中で出来る仕事は沢山ございます。どうかご自重下さい」
鴆「あのなぁ…」
唯は近くの座卓から一枚の紙片を取り上げた
ソレは先日、番頭から見せられた営業再開を案内するチラシだった
既に印刷も済み、各方面へ配り始めている
鴆「こういうのを刷って撒くこともそら大事だろうよ。けどな、妙ちきりんな妖怪がいて、ソイツをテメェの目で調べるのも俺にとって__、薬鴆堂にとって大事なことなんだよ!!」
鴆「しかも、ソイツが暴れている場所はウチの、奴良組のシマなんだぞ?!このまま黙ってるなんざ、俺には出来ねぇ!!」
番頭「お気持ちは分かりますが、だからと言って私の考えが変わる訳ではありません。外出は許可出来ませんよ」
番頭の態度に唯の気持ちは段々と昂ぶって来ていた__
鴆「分かんねぇ奴だなぁ!?だからよぉ__ッ!!」
唯が声を荒らげ、抗議を続けようとした次の瞬間__、勢いよく口から血を噴き出した
番頭「ぶぺっ!ぺっ!!ま、前が見えな__唯様!?」
唯の真正面にいた番頭は避けることが出来ずに諸に吐血を浴びせられ、視界が見えなくなった
番頭は畳にひっくり返り、両手をバタバタとばたつかせている
唯(あ!今なら__)
唯の脳内には1つの案が浮かび、ニヤリと笑みを浮かべる。
番頭にバレないようにそっと障子を開けて廊下に出て行った
番頭「鴆様!!鴆様!?__おい、誰かおらぬかぁ!!」
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作者名:桜ノ雨(参) | 作成日時:2022年11月20日 10時