男装系頭領は義兄弟の力になりたい！〈短編集〉 (ページ13)

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目線：NO

唯は小さい頃から探求心がある妖怪だった

「人間の間ではどんな病が流行っているか」、「この薬品はどんな効能があるのか」などなど…興味を持った物は更に追求するという研究者ばりの探究心を持っていた

吸血妖怪の正体を調べたい、突き止めたい。唯の探究心が身体の奥でザワついていた

鬼が運び込まれた時に番頭から釘を刺されたのだが＿＿、

唯(やっぱり、調べてみてぇんだよなぁ…)

鬼が薬鴆堂に運び込まれて3日が過ぎた

唯はと言うと未だ見つかっていない吸血妖怪への探求心が抑えられずにいた。と言うよりも既に外で調査する気になっている

奴良組のシマで暴れている奴がいると言うのにジッと黙ったままと言うのも面白くない

＿＿だが、屋敷を抜け出そうにも番頭の監視の目が厳しかった

玄関脇の小部屋に帳簿をつけながら、其処から動こうとしないのだ

自室で大人しく本を読むフリをして、そろそろ頃合いだろうと唯が玄関に向かうとまだ其処にいる

番頭「どちらへ？」

と、小部屋の奥から粘っこい声が聞いてくる。唯は思わず狼狽えて、

鴆「あ…や…、自分の部屋を戻る道を間違えた」

番頭「そうでございますか。なるほど、新築されて多少間取りも変わりましたしねぇ…？そういうこともございましょう。ええ…」

唯は嫌味な奴だと心の中で悪態をつきながら自室に戻り、熱りを冷ます

ならば、裏の勝手口から脱出するかとそちらへ忍び込むと＿＿

番頭「どちらへ？」

どういう勘か番頭は先回りをして腕を組んでいた

こうなりゃ2階の窓からだ、と窓を開けると

番頭「どちらへ？」

またもや番頭が先回りをしており、庭から唯を見上げていた