夏色の恋<yuto×kei>

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「やぶ、どうしよ…」





　
　
確かに、思い起こせば不自然な点はいくつかあって






　
ちょっと考えればわかることなのに






　
…悪いこと、しちゃったな




　
　
　
「…まぁ、あいつが好きでしたことなんだから
気にするこたぁねぇと思うけど…」






　
隣に座ってた薮が、立ち上がってくるりと振り返る






　
「お詫び、っていうわけでもねぇけどよ
…デートの一つくらい、ちょっとは考えてやってもいいんじゃねぇの？」






　
「…なにそれ、そんなんでお詫びになるの？」





　
　
「そんなんってお前…」






　
ボールを小脇に抱えてはぁ、と盛大にため息をつく。






　
いや、だってねぇ？





　
風邪ひいて学校まで休むことになって
ごめん、デートしてあげるから許して！って






なんだよそれ、だよね普通





　
可愛い女の子が言うなら話は別だけど。






　
「お前普段から裕翔になんて言われてる？」





　
　
「今日も可愛いですね」





　
　
「ほか」






　
「写真撮らせてください」





　
　
「…ほか」





　
　
「ちょっとだけでいいんで触らせてくださ」
「デートしてくださいだろっ！」




　

　
というかそんなことも言われてんのかよお前…
って開いた口が塞がらない様子の薮





　
　
もっとあるけどね、裕翔(へんたい)語録





　
　
言い出したらきりがない。





　
　
「…まぁとにかくだ。お前からしたらそんなん、かもしれねぇけど
あいつからしたら飛び上るほど嬉しいことだから」





　
　
　
　

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