列車私立電王大学 (ページ21)

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良太郎side

桃賀はあのまま泣き寝入りした。

今まで泣いたことなんかなかった桃賀が、、。

それほどAちゃんが大切なんだろう。

僕だってよくわかる。だって大事な家族だから。Aちゃんに会ってから桃賀はすごく変わったと思う。前までは泣きもせず、苦しかっても笑っていた、強がりな桃賀だった。だが今の桃賀はそうじゃない。

初恋相手の役に立てない、と支えてもらってばっかりだ、と泣きじゃくるような桃賀なのだ。

寝ている頭を撫でながら僕は考えた。

どうにかしてAちゃんが目を気にせずに暮らせる方法はないのか。

一番は桃賀と深い関係にさせるのがいいと思うが、それではAちゃんの気持ちを無視した最低な奴だ。

でも僕は二人が両思いなのを知ってる。

良「本当に君たちは、、。」

僕はきちんと二人を見てきたから知ってた。

でもこれは相手同士で気づかないといけない。

良「このままだといつまでたっても付き合えないよ？」

呟き、スマホをみた。

「僕ちゃん先輩も知らないらしい。僕、帰宅するよ。」

ああ、海斗が帰ってくる。

きっと海斗も二人が両思いと知っているだろう。

なんにせよ、あの女の子好きの海斗だからね、、。

いろいろ桃賀からも相談を受けてるんじゃないかな？

僕は「頑張れ」と呟き、部屋を後にした。