～さくら～ (ページ7)

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第六章ページ7

「よーいスタート。」
いつの間にかかけっこになっていた。
私、道知らないし～
「待って～、早すぎる～、おいてかないで～。」
ずてっ。
光の後ろで音がした。
振り向くと、空がずっこけていた。
走って近寄ってくる光。
ひくひくなっている空。
「大丈夫かよ、ドジだなー。泣くなって。ほら」
手をさしのべてくれる光。
「ありがとう。」
強がって
「泣いてなんかないし。」
なんて言って。
光は優しい目で
「強がるなって。泣けよ。」
こんなに優しいのにやっぱり素直になれない。
「光が走り出すから。靴ボカボカなんだって。」
光、ごめんね。本当はそんなこと思ってないのに。
「そっか。ごめん。けがない？」
膝にかすり傷。
立ち上がって膝を見て光に訴えかけた。
光は
「痛そ。絆創膏あるから。」
「ありがとう」