僕から奪わないでくれ【虎】

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Kaito.N side



学生の頃からAは美人だった。

近くの大学の人で、有名で駅で見かけた日は当たりの日なんて思っていた。





そんな彼女と合コンをセッティングしてくれた友達には感謝している。



ここだけの話、結構無理を言ったからジャニーズって力を使ってそいつには女の子を紹介したっけ。




そんなことはどうでも良くて、休日に初めて会ったAの私服はまた可愛くて、いつも遠くから見ていたから大人しい印象だったが、話してみたら同級生と変わらない年相応の可愛らしさを感じた。


ジャニーズという色眼鏡で見ないし、俺の笑い方がツボらしく、この合コン以外でも会ってくれるようになった。



けど、当時の記憶を聞いてみれば、俺のことはなんにも思ってないようだし、合コンとすら思ってなかった。




当時の俺、どんまい。



だけど、当時の俺が行動を起こしたおかげで今があるから、よく頑張ったと褒めたい。




まだデビューとか出来てないけど、あの時よりちゃんとしたし、かっこよくなれたと思うし、今なら。



……なんて思うけど、色々考える点はある。





まぁ、俺好きになったら、その人のことをずっと好きでいるし、「好き」っていう気持ちはいっぱい言いたいからこれからアピっていけばいいか。




俺はAの目を見て言った。





「俺はあの時超綺麗な子だなって思ってたよ。今はもっと綺麗になったけど」






ど正直なストレートな言葉は刺さったようでこの暗さでも頬が赤くなるのが分かった。


普段は見ないような顔だから可愛くて可愛くてまた笑ってしまう。





「マジで思ってるから」





そのまま手を取ると「ちょっと」と言われるがガン無視。



お酒も入ってるし、悪くないでしょ？

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