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「はい、お待たせ」
インスタントのお味噌汁と気持ち程度のしゃけのおにぎりを出すと笑われた。
「そこは何か作るよ?じゃないの?」
「男にご飯作る趣味ないから」
「えー、手料理食べたかったなぁ」なんていいながらも美味しそうに食べてくれる姿は見ていて気持ちが良かったし、簡単なものだが私も久しぶりにちゃんとご飯を食べた気がする。
「……そういえばさ、元太くん何歳なの?」
おにぎりを頬張ったまま、ハッキリとしないモゾモゾとした声で「21」と言った。
「21?うっわ、わっか」
自分より4個下。
じゃあ大学生?成人式なんか超最近じゃんと頭の中でぐるぐるする。
ギリ犯罪じゃないのが唯一の救い。
「Aさんは……って女性だから聞かない方がいいか」
「25」
「あ、じゃあしめとかと同じぐらい?」
身近な友達に私と同い年がいるんだろう。
特に驚く様子もなく、勝手に理解された。
「俺ら歳すら知らなかったんだ」
「……気になる?」
「別に?知らなくてもどうにかなることなんて沢山あるし、なんも気にしないよ俺は」
21なのに意外とサッパリしてるなと思いながらお味噌汁に口をつけると、元太くんは「あっ」と閃いた顔をした。
「Aさんが料理が上手いかどうかは知りたいなぁ。俺、唐揚げが好き」とにこぉっとしてくる。
男にご飯作る趣味はないと聞いていなかったのだろうか。
それに、油物はキッチンが汚れるから苦手だ。それをそのまま伝えると「ケチ!」と言われてしまった。
どさくさに紛れてまたご飯ねだろうとするなっての。
なんて思うが可愛らしく頬を膨らませる元太くんに「じゃあ、気が向いたらね」と私は答えた。
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ちな(プロフ) - くるみんさん» ありがとうございます〜!主人公ちゃんと同い歳なんですね。ゆったりの更新ですが、ぜひ楽しんでいただけますと幸いです!今後ともよろしくお願いします。 (2021年7月20日 15時) (レス) id: e9e3793e8e (このIDを非表示/違反報告)
くるみん(プロフ) - 元太大好きです!元太の4つ上なので嬉しすぎてコメントしちゃいました(笑)これからも更新頑張ってください! (2021年7月19日 2時) (レス) id: ca6f57219d (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - ちゅっじぇさん» ありがとうございます。直接お言葉を頂けることがなかったので、更新の励みになります。少しおサボりしましたが、またゆっくりと更新しますので、また読んでいただけると嬉しいです。読んでくださって本当にありがとうございます! (2021年6月16日 16時) (レス) id: e9e3793e8e (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっじぇ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています。続きがすごく気になって、更新される日を楽しみにしています!これからも応援しています。頑張ってください!! (2021年6月16日 10時) (レス) id: 3cc5800027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちな | 作成日時:2021年5月12日 15時