そして現在。 ページ3
.
「……強化指定選手?」
ある日の夕方、母さんに頼まれてポストを見に行くと新聞と共に茶色い封筒が入っとった。普段なら新聞だけの筈なんやけど……と思いながら裏返してみるとまさかの俺宛て。え?母さんやないん?
1人で先にご飯を食べている母さんの目の前に新聞を置いて自室へ駆け込んだ。丁寧に封筒を切って、中から重なった2枚の紙を取り出した。そうしたらその紙に【強化指定選手に選出されました】と書いてあったってワケ。そもそも強化指定選手って何?フットボール協会からやからサッカー関連なんは分かるけど……
するとスマホが鳴り出した。掛けてきた人物を見てから、なんとなく急いで通話ボタンを押した
《
「うん、強化指定選手がなんちゃらって」
《……行くか?》
「怪しいんは分かるけど…でもフットボール協会からやで?信用してみるんもええと思うけど」
旅人くんの怪しむような声に、まるで手紙の送り主を擁護するような発言をする俺。別に誰が送ってきたんかは分からんし擁護するもくそもあらへんけど。
暫く旅人くんと話して、結局手紙に書いてある日付に最寄り駅集合という事で話を纏めた。勿論通話を切る前に「絶対1人増えるから」と伝えておいた。もう1人は読者の皆さんも察したんやない?
ピンポーン
「……あれ、Aやん。どしたん?」
「?羊には手紙来なかったん?」
「あぁ、2人が言ってたアレ……」
玄関に走って向かい、靴を履いて外へ出て隣の家のインターホンを押す。すると10秒も経たないうちに羊本人が出てきてくれた。あれ、この時間は羊って部屋でゲームしてへんかったっけ……
そう考えれば「2人から声が掛かったから中断してたんよ」と、まるで心を読んだのかと思うほどピンポイントに答えてくれる羊。流石親友やね
「Aは行くん?」
「行こうかなって。旅人くんとも時間決めたし」
「あぁ、それで僕のお誘いか。ええよ、一緒に行こ」
「よっしゃ」
手紙に書いてある日付に最寄り駅集合な、と時間も付け足して伝えれば頷いてくれた。これで3人一緒。一先ず安心した、というべきか。
ゆっくり家に戻りながら強化指定選手って何をやるんだろ…というのを考えていた。(ドアに頭ぶつけた)
.
116人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ