美少女たち ページ7
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「私、拳藤一佳！個性は…さっき見たかな？見たまんま解釈してもらっていいよ」
「蛙吹梅雨。梅雨ちゃんと呼んで。個性はこの通り、蛙みたいな事が出来るの」
「わ、私、爆豪A！個性は、手から炎が出せるくらいかな…。大きな炎は出せないんだけど…」
実技テストが終わり、一佳ちゃんと梅雨ちゃんと自己紹介を済ませた。2人ともPはしっかり稼げていたらしくて、手応えはあるとのこと。筆記の方も落とすほど酷いわけではないので、実技でよほどの事がない限りは受かるだろうと言っていた。
それよりも私は出久くんがとても心配だった。彼は無個性。という事は、さっきのようなばかデカい0P敵相手にも為す術なしのはず。怪我の1つや2つ、3つもしてておかしくはない。寧ろしてない方がおかしい。
最近は筋トレをしているのか、筋肉がつき始めていたようだけど、対面して分かる。あの仮想敵相手に少し筋トレして筋肉脳になった所で、太刀打ちなんか出来ない。
「ご、ごめん2人とも！ちょっと用事思い出して、帰らないと…！」
「あら、そうなの？残念だわ…。連絡先だけでも交換出来る？」
「お！いいね！交換しとこーよ！私は賛成だよ」
「よ、喜んで！じゃあ早いところ荷物取りに戻ろう！」
ま、まさかこんな美少女達が私と連絡先交換したいだなんて言い出すなんて、夢にも思わないじゃん！！！今日だけで私何回心臓口から飛び出せば良いんだ！？
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「あ、お兄ちゃん！」
「あ？」
「どうだった！？」
「はっ、余裕だったわクソが」
だよねー、と笑いながらお兄ちゃんと並ぶ。
演習会場から出て、一佳ちゃんと梅雨ちゃんと分かれた私は一先ず知り合い(お兄ちゃんと出久くん)を探すことに。緑のもさもさと、クリーム色のツンツン頭を目印に辺りを見回すとツンツン頭が最初に見えたってわけ。
お兄ちゃんの額には汗がじんわり滲んでいて、相当模擬市街地を走り回ったんだと分かった。……これはほぼほぼ合格、みたいなものなのかなぁ。お兄ちゃん凄いもん。
私は受かるか分からないけど、お兄ちゃんの恥にはなりたくない。
「いーなぁ、自信持てて！」
「お前も余裕だろ」
「ンなわけ！お兄ちゃんには遠く及ばないしね。個性の使い方もままならないんだから」
「フン、俺の誘いを断るからだろ」
……ふんぞり返るお兄ちゃんの腹、殴りたい。
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