マジメな受験生 ページ4
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「演習場には”仮想敵”を三種・多数配置してあり、それぞれの「攻略難易度」に応じてポイントを設けてある！！各々なりの”個性”で”仮想敵”を行動不能にし、ポイントを稼ぐのが君達の目的だ！！！
勿論、他人への攻撃などアンチヒーローな行為はご法度だぜ！？」
……お兄ちゃん、舌打ちしないで…。
なんでこうも出久くんの事を目の敵にするんだ……。
ただでさえ怖い顔が、出久くんが関わるともっっと怖くなっちゃうんだよなぁ。
「質問よろしいでしょうか！？」
少し間をあけて、ビシッと手を挙げて発言したのはいかにも真面目そうな男の子。
「プリントには4種の敵が記載されております！！誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態！！我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです！！」
お、確かに…4種類いるね
さっきプレゼント・マイクが説明したように、プリントの下の方に写真と共にポイント数が記載されている仮想敵が書いてある。A、B、C、Dと別れていて、先程プレゼント・マイクが説明したのはきっとAからCの仮想敵。Dの0P仮想敵の説明はまだされていない。
「ついでにそこの縮れ毛の君！！」
「！？」
おっと……
「先程からボソボソと…気が散る！！物見遊山のつもりなら即刻雄英から立ち去りたまえ！！」
あらあら…酷い言われよう。受験までしてるんだからヒーローになりたいという気持ちに偽りは無いだろうに、出久くんの行動は他人にそう思われてしまう程のものだったに違いない。
まぁ、プロヒーローのファンが面白半分で受験してるかもしれないんだもんね。本気で受験してる人にとって、そういうのは本当に所謂”おじゃま虫”というやつだ。
……お兄ちゃん？「ケッ」って鼻で笑うの辞めようね？
「す、すみません…」
「出久くん…まぁまぁ、これからだから！ね、元気だして！」
「う、うん…ありがとう、Aちゃん」
「テメェらでデレデレすんなキメぇ」
私が出久くんを慰めると、お兄ちゃんはいつも不機嫌になる。
まったく…。そんなに私に心配される出久くんを見たくないなら出久くんに意地悪するのを辞めれば良いだけなのに。
もしかしてすぐ出久くんが萎縮するのってお兄ちゃんのせいなんじゃ……！？
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