雄英の実技入試！ ページ3
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「もー、お兄ちゃん！頭痛い！」
「うっせぇわボケ！！」
「妹に向かってボケって何！？」
電車を降りてしばらく歩いて雄英の前。受験生がゾロゾロ歩いている中を、私とお兄ちゃんは大声で喧嘩をしながら歩いていた。
勿論そんな大声で喧嘩をしていれば周りから目立つ訳で。
「おい、アレってバクゴーじゃね？「ヘドロ」ん時の！」
「本物？」
「え、じゃあ隣に居んのは？」
「さっき「妹」って言ってたぞ」
「似てねー！まじか」
「妹の方可愛くね？」
うーん、最後の人だけ友達なろ？
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「今日は俺のライヴにようこそー！！！エヴィバディセイヘイ！！」
前のステージに立つプロヒーロー、プレゼント・マイク。テレビでもよく見るけど、生で見ると確かに凄い髪型だ。すっごい立ってる。お兄ちゃんの性格よりも尖ってるかも。
……お兄ちゃん、たまに私がこういう事考えると睨んでくるんだよね。人の心でも読めるのかな。
「こいつぁシヴィー！！！受験生のリスナー！！実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ！！！アーユーレディ！！？」
……あまりにもこの会場の静まり具合とプレゼント・マイクのテンションの高さが不一致過ぎて最早面白くなってきた。出久くんはプレゼント・マイクについてボソボソ説明してるし、お兄ちゃんはお兄ちゃんで腕組んで出久くんを睨んでる。お兄ちゃん、その顔まんま敵なんだってば。幼馴染にする顔じゃないんだって。
温度差ヤバいよ………あと出久くん、周りから変な目で見られてるよぉ…。特になんか前の方に座ってる眼鏡かけた真面目そうな人、視線だけで出久くんに穴開けちゃいそうだよぉ……え、本人気付いてないってマジ？
「入試要項通り！リスナーにはこの後！10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ！！持ち込みは自由！プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな！！」
へぇ、一斉試験でも会場は別々なのか。いや、一斉試験だからこそ別々？どデカい演習会場に全員ぶち込むよりも分けた方が都合が良かったのかな？試験の採点方式にもよるけど、1人1人確認しやすいようにする為なのかも
「同校同士で協力させねぇって事か」
「ほ、ホントだ…。受験番号、連番なのに会場違うね」
「見んな殺すぞ」
「こらお兄ちゃん！口悪い！」
すぐ出久くんに突っかかるんだから…。
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