【名探偵コナン】ようじになりました

ポアロに着きました。 ページ36

アポロとポアロ
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カラン、コロン。



ドアが開くと同時に聞き心地の良いベルの音が鳴った。





「あら？」


「梓さーん！」


「来ちゃいました！」


「みんな！今日は来るの早かったわね？いつもならもう少し遅いのに」





「ポアロ」と大きく書かれた窓から見た店内。カウンターの中には黒髪の美人が1人、お皿を拭いていた。歩美ちゃんたちが中へ入ると、拭いていたお皿を後ろの棚へしまい、こちらに微笑みかけた。



カウンターから出てきて歩美ちゃんたちと談笑している彼女が、きっと「梓さん」だろう。





「ね、こなんくん」


「え？」


「あのひとが、あずささん？」


「あぁ、うん。そうだよ」





いつの間にか歩美ちゃんではなく、コナンくんの手を握っていた右手を軽く引っ張ると驚きながらもバランスを崩すことはなく。冷静に僕の問いに答えると、今度はコナンくんが僕の手を引っ張って1番端っこの窓際の数人席に座った。



梓さんと思わしき女性と談笑する歩美ちゃんたちを指さして「いいの？」と聞いたけど、「いつもの事だからね」で済まされてしまった。メニューを広げて何を頼むか悩んでいる姿に、ふと気になったことを聞いてみた。





「おかねは？」


「博士に貰った」





ピッとズボンのポケットから3000円を出すコナンくんを見てホッとした事は言うまでもない。



さっきケーキ食べたからなーと思いながら窓の外を眺めていると、コナンくんがこちらにメニューを差し出してきた。




「何食べたい？」


「えっ」


「さっきケーキ食べてたけど、一切れだったでしょ」





いや、普通は一切れで満足なんだけどね。



誕生日ケーキなんかも、兄弟などで人数が多い家族はホールケーキを買っていく事があるけど大抵、1人一切れが定石。二切れなんかしか余らなければ、その日の主役や胃に余裕がある人が食べることもあるけどね。翌日に持ち越したりとかは家庭によって変わってくるだろう。




きっとコナンくんは兄弟の多い家庭なんだ。それか大食いの元太くんがケーキをよく二切れや三切れを食べるからそれに慣れすぎたんだ。きっとそうだ。






「うーん…けーきは、いいかな。こなんくんは、なにたべるの？」


「僕はプリン頼もうかなって思ってるよ」


「じゃあぼくも！」






コナンくんに乗っかるように言えば、コナンくんは僕の頭に手を乗せて撫で始めた。そんな歳が変わらないのに、こんな事で撫でられるのか。














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