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「君の名前は?」
「A」
「Aくんか。僕はバーボン」
「ばーぼん」
「そう」
僕の手を引いて歩くバーボンさんは思いの外優しそうな人だった。金髪に碧眼……碧眼よりも普通に青って感じの目の色だったもんだから、てっきり外国の方、観光客とかなんだと思ったけどそういえばジンと呼ばれた銀髪の人もバーボンさんも日本語がペラペラだ
……うーん、日本語の勉強頑張ったのかなぁ。僕英語全く出来ないから凄いや。母国語じゃない言語習得するのって難しいし。発音とかマジで分からない。
英語よりも日本語の方が難しいというけど、目の前のバーボンさんはなんでもない様に普通に日本語を喋る。イントネーションだって日本語ままだ。え?もしかして生粋の日本人だったりする?
「Aくんはなんでこんな所に居たんだい?」
「しらない」
「はぐれて来たんじゃないの?」
「うん。さまよってたらあそこに」
知らないけど。
「……。はぐれたって誰とはぐれたの?お母さん?お父さん?」
「あー」
「覚えてない?」
「……たぶんおかあさん」
知らないけど。Part2
いやだってだよ。なんであんな場所に居たのかすら分からないのに、はぐれる前の記憶があるとでも思った?残念だけどそんなご都合的な事なんて起きないんだよ。言ってて悲しい
バーボンさんが僕を見る目は段々と鋭くなっていくけど。いや、正確には僕というよりも、多分だけど僕の家庭環境を怪しんでる感じなのかな。
「そろそろ通りに出るけど…。今ここから見える範囲でお母さんは見える?」
「かおみえない」
「それもそっか、ごめんね」
「ばーぼんさんわるくない」
「優しいんだね、Aくん」
やべースパダリだ。こんなん子供イチコロだろ、僕もイチコロ。え、この人に育てられたい。甘やかしてくれるんだろうな、朝起こしてくれる時絶対優しい。んでもって料理も絶対出来る人だ。食べたい
僕のキラキラした視線にはてなを浮かべながら、バーボンさんは通りに出る路地を真っ直ぐ進んで行った
「A…!!」
「……ぁ」
「急にいなくなって!!心配したんだからね…!!!」
「えっと…Aくんのお母様ですか?」
通りに出ると、1人の女性が近寄って来た。どうやら彼女が母親らしい。僕も彼女もバーボンさんに頭を下げて、僕は女性に手を引かれる様にしてバーボンさんと別れた
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ひかり(プロフ) - マニ。さん» コメント有難うございます!お返事大変遅くなって申し訳ないです( ; ; )面白いと言っていただけて嬉しいです!!ボードでの会話、ぜひ良ければお願いします🥹🫰 (3月27日 0時) (レス) @page47 id: b54df6e94e (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ひかりさん» ✉️。こんにちは!面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます! (2月25日 9時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - みッ!みッ!さん» コメント有難うございます!ページ26…あれは本当に勢いで書いたところがありまして…。皆様を泣かせたいと思いつつ、無理に終わりに持っていった感じが私の中ではあったのですが、無事に泣けたようで安心です😌😌 (2月18日 16時) (レス) @page36 id: b54df6e94e (このIDを非表示/違反報告)
みッ!みッ!(プロフ) - コメント失礼します。ページ26の最後でめっっちゃ泣いちゃいました…多分まだ序盤なのに…泣かせてくれてありがとうございます… (2月12日 17時) (レス) @page28 id: a5d82ccb68 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - ちょきさん» ご指摘有難うございます!わ、ホントですね…😮😮普通に書いてて無知を晒してるようで恥ずかしいです🙈🙈不快にさせてしまっていたら申し訳ないです🙏🙏 (1月22日 22時) (レス) @page32 id: b54df6e94e (このIDを非表示/違反報告)
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