利他主義者が通りまーす【ブルーロック】 (ページ8)

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エゴイストの卵が存在しまして。ページ8

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「世界一になる話してんだけど？俺

……例えばノエル・ノアの話をしよう。メッシやC・ロナウドを抑えてバロンドールに輝いた____今、世界一のストライカーはこんな事を言ってる」

味方にアシストして1-0で勝つより

俺がハットトリック決めて3-4で負ける方が気持ちいい

「20世紀最高のフットボーラー、エリック・カントナは言った」

チームなんてどうでもいい。俺が目立てばいい

「W杯優勝3回。史上最高のフットボーラー、ペレは言った」

世界一のFW、世界一のMF、世界一のDF、世界一のGK

どれを訊かれても自分だと答える

「どうだ？最悪だろ！？でもコイツらがNO.1なんだ！！革命的なストライカー達は皆！！稀代の"エゴイスト"なんだ。日本サッカーに足りないのはエゴ(それ)だ……」

……何故、とは言わない。理解は出来る。だけど私には決して出来ない事だ。絵心さんの話は、理解は出来るが……私がそうなのか、と言えばそれはNOだ。絵心さんの話にあるエゴイストとは真逆のアルトゥリスト。利他主義の人間だから

「世界一のエゴイストで無ければ、世界一のストライカーにはなれない。この国に俺は、そんな人間を誕生させたい。この299名の屍の上に立つ、たった1人の英雄を」

ふと、脳裏に浮かんだ

何人か数えられないくらいの人間が山積みになっている。その頂点に立つ、たった1人が。

「さぁ、才能の原石共よ。最後に1つ質問をしよう」

それが一体

「想像しろ。舞台はW杯決勝、8万人の大観衆。お前はそのピッチに居る。スコアは0-0の後半A・T(アディショナルタイム)。ラストプレー」

自分なのか

「味方からのパスに抜け出したお前は、GKと1対1。右6mには味方が1人。パスを出せば確実に1点を奪える場面…。全国民の期待…優勝のかかったそんな局面で。」

別の誰かなのか

「迷わず打ち抜ける。そんなイカれた人間(エゴイスト)だけこの先へ進め」

それは分からない

「もう一度言い改めよう。サッカーとはお前らストライカーの為にあるスポーツだ。お前以外の人間はピッチ上の脇役だと思え。常識を捨てろ。ピッチの上ではお前が主役だ」

だけど、もし

「己のゴールを何よりの喜びとし、その瞬間のためだけに生きろ。それが"ストライカー"だろ？」

今飛び出した彼ならば

「おも、しろい」

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