人も集まりまして。 ページ4
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そこから部屋に着いて、人が集まってくるまでずっと豹馬くんと話していた。帝襟では呼びづらいから、と私が言えば豹馬くんは私を名前呼びしてくれるようになった。その拍子に私も豹馬くん呼びへ。
周りがザワザワし出して人が集まって来たことが分かる。少し豹馬くんと辺りを見回すと、どうやら有名どころがチラホラ居るらしい
「ん〜〜、ヤバいな私。初心者丸出し」
「まぁこれから知っていこうなって感じ?」
「豹馬くんが優しすぎて涙が」
「そんな冗談も言うのかA」
綺麗な顔で笑う豹馬くんに、思わず私も笑ってしまう。豹馬くんと会ってから彼の笑顔をあまり見れなかったから貴重な顔を見れて私大満足。美人は笑ったらもっと美人になるんだね。新発見だ
あ、アンリさんは可愛い系の人だから美人はあんま見慣れてないんだよね。
すると前触れもなく部屋の電気が消えた
「えーあー……。あー、あー。」
天井や部屋の前にある舞台袖についたスピーカーから、人がチューニングする声が響いた。
「おめでとう、才能の原石共よ。
お前らは俺の独断と偏見で選ばれた優秀な18歳以下のストライカー300名です」
……あの人の独断と偏見?という事は単なる実力で選ばれた訳では無いって事か。つまり私の様な無名の者でも招待される事が出来る、と。アンリさんはその枠を狙っていたんだ
と、言いますか。才能の原石って何。なんだろう、磨けば光る才能を此処にいる全員が持ち合わせてる、と?
「そして俺は絵心甚八。日本をW杯優勝させるために雇われた人間だ」
W杯…。やっぱりか。ここでその話が出るって事はそこが一目標ではある訳だ。かなりぶっ飛んでる人じゃなければ、きっと
「絵心甚八…?A知ってる?」
「…いや。知らないな」
聞いた事はあるけれど。アンリさんの口から、ね。あの評価をくれたのはこの人だったって訳だ。
全体的に細い体。目の下にある隈。異様に白い肌。全てが全て"不健康"を連想させるような容姿。背が高くスラッとしているから、なんだか弱そうに見えなくもない
それなのに、語勢が強いせいか酷く大きく見えてしまうのは幻覚なのだろうか
「……!」
「………」
不敵に嗤うその瞳と目が合った。
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