綺麗な男の子に出会いまして。 ページ3
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「はい、これ」
「？え、何…。麦茶？」
「うん。疲れてるみたいだったし」
彼の為に麦茶を買って差し出すと、「え、申し訳ないから金返すよ」と自身の財布を取り出そうとしたが私がそれを阻止。「…じゃあ有難く、貰っとく」と、麦茶を貰ってくれた
ペットボトルを開けてゴクゴクと喉を鳴らしては、数秒くらい飲み続けていたので相当疲れていたと見える。
「ふぅ、助かった。まだ名前教えてなかったな。俺、千切豹馬。数の千に切断の切で千切、動物の豹に馬で豹馬」
「丁寧にどうも。帝襟A。帝王の帝に襟は普通の。Aはこう書くよ」
そう言って私は肩にかけたボストンバックから紙を取り出して実際に書いてみせた。「へぇ…」と覗き込んでくる千切くんに見やすいように彼に差し出した。
いつまでも此処に留まっていては時間が来てしまうので、千切くんに「部屋まで案内するよ」と声をかけて歩き出す
部屋に着くまでの道で千切くんの事をいろいろ聞いた。鹿児島から来たということ。強豪である羅古捨実業高校に通ってるということ。とある事情で少しサッカーから離れていたこと。この集まりへ足を向けた目的のこと。
「夢を諦める……。それまたなんで？」
「俺の気持ち的な問題。此処に来れば熱くて上手い奴がわんさか居ると思ったんだ」
「へぇ。その熱に充てられて、千切くんまで熱くなりそうだけど」
「……ハハッ、まさか。そんな事出来ないって自分が1番知ってるよ」
悲しそうな千切くんの顔に、これ以上何か言うのも失礼かと思って話題をすり替えた。
「そういえば私、サッカー始めたのすごく最近なんだよね」
「え、マジ？いつ？」
「……1ヶ月前くらいかな？」
嘘。2週間前です。ごめんなさい嘘ついて。流石に2週間だと殴られるかなって思って。1ヶ月前もグレーゾーンだけどまだセーフでしょ。歴1ヶ月の奴も何年もサッカーやってる人に比べたら雑魚だけどね！？
それでも千切くんは酷く驚いていた
「1ヶ月前！？嘘だろ、帝襟そんな上手いの？」
「うーん。のみこみが早かったのかも。一応基礎知識は知ってたからね」
「へぇ。なんかスポンジみてぇなんだな」
「スポンジ？」
「吸収力スゲェって事」
スポンジって例えられたのは初めてかも。
確かにアニメでは吸収力高い人の事をスポンジって例えたりするよね。そういう事か。と1人納得した
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